
WPホームページ研究所運営サポートチーム監修のオムスビ(@OMUSUVIcom)です。
こんな疑問にお答えしていきます。
本記事の内容
- 需要を考えながらコンセプト設計を作る手順を教えてほしい
- オフラインビジネスに興味はあったけどアイデアが思い浮かばない
- 口コミ集客が起こりやすい店舗ビジネスを自分で作ってみたい
僕はオンライン上にビジネスを作り出すのが得意です。インターネットは初期費用が安く従業員も不要で手もかからないのが最大の特徴です。オフラインビジネスでは店舗代や従業員など初期コストが高くなるので予算を控えたい場合はオンラインを選ぶと良いでしょう。
しかしながら、オンラインもオフラインも流行るビジネスの作り方は共通しています。マーケット(市場)規模を考えた上で人が興味を持ちやすい事業内容を選ぶのは鉄則。本日は街にある居酒屋で考えてみましょう。
店舗のネーミングが勝負
オンラインオフライン問わずビジネスでは「店舗名(ネーミング)」が重要となります。お客様には1つでも多くの「お店へ行く理由」が必要だからです。一般的には「なんとなくお店へ行く人」は少なく「お酒が飲みたいから居酒屋へ行こう」と考えている人の方が割合は多くなります。
ただ、言葉には「抽象度」があって具体的なキーワードの方が緊急性が上がります。たとえば「お酒」にはあらゆるアルコールドリンクが含まれます。お酒には「ビール」もあれば「焼酎」もあります。つまり「お酒が飲みたい」と考えている人はお酒なら何でも良いと考えている人で、ハイボールが飲みたい人は「どうしてもあのドリンクがいい」と考えている状況と言えます。
もし「緊急性の低いキーワード(お酒)」を追うと競合だらけです。一方で「緊急性の高いキーワード(ハイボールやレモンサワーなど)」であればライバルが一気に減ります。稀に「絞ると需要が小さくなる」と考える人がいますが実際は真逆です。幅を広げすぎると顧客は何を選べば良いか判断がつかなくなります。
マーケティング的には「皆さん」より「あなた」と呼んだ方が反応するのと同じ論理。過去にスモールビジネスへ取り組んだご経験があればイメージしやすいはずです。
お店の名前があなたの看板
もし居酒屋をオープンするとしたらあなたはどういった「店名」を選びますか?初心者が陥りやすいネーミングの罠として典型的な例が「居酒屋○○○(人の名前)」。でも冷静に考えて、入り口で看板を見かけた人を想像してみると『知らない人の名前のお店』には入りづらいですよね。
居酒屋に限らずビジネスでは「名前」をノリで決めてはいけません。看板が唯一「お客様の目に直接触れる部分だから」です。なんとなくカッコいいとか、誰かの頭文字を付け合わせたなど、安直な理由だけで「店名」を決めてしまうと高確率で集客で苦戦する羽目になります。
理由は先述した通り、店名では「お客様に選ばれる理由」を示す必要があるからです。将来お客様になるかもしれない「潜在顧客の目線」から見てメリットやニーズを伝えられるのが『店名』。店舗ビジネスだけでなく物販ビジネスでも同様で「看板が重要」なのは言うまでもありません。
繁盛しているお店を調査する
飲食店を経営するなら「食べログで点数が3.5〜3.9の同業種の調査」から始めましょう。4点以上を含めない理由は点数が高すぎるお店はオーナーが有名人だったり、告知に使える広告費に相当な金額を割り振っていたりするからです。比較時に重要なのは同じ規模感かどうかのみ。
なかには特に意味がない店名で高得点のお店もありますが、そういったお店は提供料理のコスパが凄まじいなど突出した魅力がかならずあります。独特な特徴は流行のタイミングと重なれば一気に繁盛店へ化けてしまう場合があります。単純な比較が難しいお店もあるので注意しましょう。
そして、人気店を一覧で書き出すと少しずつ全体概要が見えてきます。大半のお店がわかりやすい店名(人から選ばれやすい)を付けている点にも気づくはずです。もし仮に実際の店舗で居酒屋を開店するとしたら下記の「店舗名」を付けます(店舗名だけでなく質にもこだわる前提)。
▼店舗名
地鶏焼き鳥と日本酒のお店
▼コンセプト
日本全国から美味しいと言われている地鶏を取り寄せて焼き鳥として提供。さらにお酒は焼き鳥と相性が良い日本酒のみを取り扱う。日本酒は焼き鳥をさっぱりと味わえる辛口が中心。
▼秘策と想定
全国の焼き鳥&日本酒好きにターゲットを絞るためビールの取り扱いはなし。ただし、日本酒を仕入れた先がおすすめする地ビールは裏メニューとして完備する(メニューへ掲載も一切なし)。
あと日本酒はこだわりぬいた銘柄のみを厳選。取り揃える日本酒は「逆ラベル」を基本としてお客様とコミュケーションを図る雑学などきっかけとする工夫を施す。お客様から日本酒がオーダーされるたびに看板娘が溢れんばかりの量をたっぷりと注ぎ込むパフォーマンスも徹底する。
▼集客方法
・地鶏焼き鳥の美味しさを紹介するオウンドメディア(WordPressで構築)
・地鶏焼き鳥と日本酒のお店ソーシャルメディア開設(Instagramアカウント)
・キャンプで簡単!ふっくら美味しい焼き鳥の作り方(Youtubeチャンネル)
・タグを付けてシェアしたら日本酒1杯が無料になる(口コミを増加する対策)
・グーグルマップ対策で検索からのアクセス流入確保(MEO/SEOの同時対策)
▼裏付け
焼き鳥ともつ鍋の検索ボリュームなどを複合的にチェック。検索ボリューム上では日本酒よりビールの方が需要が大きいが「日本酒の違いまで嗜む大人のお客様」にあえてターゲットを絞る。焼き鳥との相性や日本酒の豊富さも考慮。裏メニューで地ビールのみ準備して満足度を高める。
地鶏はどのように提供するか?
地鶏焼き鳥と日本酒の専門店なのでやはり地鶏にはこだわりが必要です。参考までに日本全国には下記の通り膨大な数の地鶏があります。地鶏と言えど有名どころから種類は多種多様です。
- 北海地鶏(北海道)
- 青森シャモロック(青森県)
- 南部かしわ(岩手県)
- 比内鶏または比内地鶏(秋田県)
- やまがた地鶏(山形県)
- 川俣シャモ(福島県)
- 会津地鶏(福島県)
- にいがた地鶏(新潟県)
- 奥久慈しゃも(茨城県)
- やさとしゃも(茨城県)
- 筑波地鶏(茨城県)
- 栃木しゃも(栃木県)
- 上州地鶏(群馬県)
- タマシャモ(埼玉県)
- 房総地どり(千葉県)
- 甲州地どり(山梨県)
- 信州黄金シャモ(長野県)
- 美濃地鶏(岐阜県)
- 奥美濃古地鶏(郡上地鶏)(岐阜県)
- 一黒シャモ(静岡県)
- 駿河シャモ(静岡県)
- 名古屋種(愛知県)
- 純系名古屋コーチン(愛知県)
- 熊野地どり(三重県)
- 松阪地どり(三重県)
- 伊勢二見ヶ浦夫婦地鶏(三重県)
- 近江しゃも(滋賀県)
- 京地どり(京都府)
- 地鶏 丹波黒どり(京都府)
- 京赤地どり(京都府)
- 葵之地鶏(大阪府)
- 丹波地どり(兵庫県)
- 松風地どり(兵庫県)
- 播州地どり(兵庫県)
- 但馬地どり(兵庫県)
- 大和肉鶏(奈良県)
- 紀州地鶏(和歌山県)
- 鳥取産大山地どり(大山シャモ)(鳥取県)
- 鳥取地どり ピヨ(鳥取県)
- おかやま地どり(岡山県)
- 岡山桃太郎地どり(岡山県)
- 長州黒かしわ(山口県)
- 阿波尾鶏(徳島県)
- 讃岐コーチン(香川県)
- 地鶏 瀬戸赤どり(香川県)
- 伊予赤どり(愛媛県)
- 伊予路しゃも(愛媛県)
- 媛っこ地鶏(愛媛県)
- 奥伊予地鶏(愛媛県)
- 道後地鶏(愛媛県)
- 土佐はちきん地鶏(高知県)
- 土佐ジロー(高知県)
- はかた地どり(福岡県)
- つしま地どり(長崎県)
- 天草大王(熊本県)
- 熊本コーチン(熊本県)
- 豊のしゃも(大分県)
- おおいた冠地どり(大分県)
- みやざき地頭鶏(宮崎県)
- さつま地鶏(鹿児島県)
- さつま若しゃも(鹿児島県)
- 蜀鶏(新潟県)
※ウィキペディア参照
開店当初はお客様からのフィードバック(感想)が何もない状態なので「食事が美味しい都道府県」を参考にして「上位トップ5」の地鶏に絞って商品を取り扱います。順次微調整を図る予定。
- 1位 北海道
- 2位 福岡県
- 3位 大阪府
- 4位 新潟県
- 5位 京都府
地鶏で言えば下記となります。
- 北海地鶏(北海道)
- はかた地どり(福岡県)
- 葵之地鶏(大阪府)
- にいがた地鶏(新潟県)
- 丹波黒どり(京都府)
日本酒は仕入れられるだけ仕入れても良いですがあえて絞るなら下記を選びます。辛口や甘口の好みや熱燗や冷酒の両方が美味しいなどさまざまな選定基準はありますがあまり気にしなくてもOKです。オープン後に日本酒に詳しいお客様がかならず来店されるので柔軟に勉強する姿勢が吉。
- 二世古(北海道)
- 田中六五(福岡県)
- 秋鹿(大阪府)
- 真野鶴(新潟県)
- 澤屋まつもと(京都府)
絞る行為は豊かさへと繋がる
地鶏焼き鳥と日本酒に絞ってもこれだけ豊富なメニューが取り揃えられます。また、日本酒には通常ラベルと別で「逆ラベル」までありますし、味も辛口・甘口、さらには飲み方まで熱燗・冷酒などなど。あまり絞り込むと需要が小さくなってしまうと思いがちですが実態は「真逆」です。
絞れば絞るほど店舗としてやるべき施策も出てきますので、需要は小さくなるどころか「お客様に見つけてもらいやすくなる」状況を作り出せます。さらに「コンセプトが明確」なので「焼き鳥と日本酒好き同士」での口コミも起こりやすく、お客様が自然な文脈で店舗を紹介できます。
結果的には「多くの人が来店」してくれますが、前提としては「地鶏」さえも、もう少し絞り込んでも良いかもしれないという考えの上で運営する姿勢も忘れてはなりません。
以前の記事「インターネットを活用した販売で何より重要なのはネーミング」でもご紹介したようにターゲットを広げすぎてしまう行為は「資本力に上限がない場合に選ぶべき選択肢」です。絞れば絞るほどお客様は『お店に行く理由が出来上がり来店しやすくなるという心の動き』を覚えておきましょう。
まとめ
上記では基本的なコンセプト設計を行いましたが、日本酒1つとってもまだまだ奥が深いです。
たとえば、日本酒も店主が実際に現地を訪れて味見した上で「最高の相性」と感じた日本酒のみ仕入れたら、お店で出す時の説得力に「雲泥の差」となります。お酒を注ぐ際に「現地の酒蔵の様子」や「飲みやすさ」など伝え方次第でも「実際に日本酒を飲むお客様の気持ち」を盛り上げられるはずです。
オフラインもオンラインでもビジネスには無料で取り組める内容に多くのヒントが隠れています。アイデアが出なくなった頃はコンセプトもブレやすく「やっぱり生ビール扱おうかな」と弱気になります。一瞬の気の緩み「ま、いっか」が亀裂となりお客様の店舗離れは始まります。
コンセプトを尖らすという行為はある種で「カタナ磨き」と同じで、店舗の魅力を深掘りして磨き続けるのと変わりません。また、考え方が一貫していない状態でコンセプトを無視して「あれがない、これがない」と言い始めると気が付いた頃にはすべてが無くなってしまうでしょう。
たとえコンセプトを絞れたとしても「適切なアイデア」が出せなければ手詰まりになり、不安を感じてアレやコレやと『自分で想像できる小さな範囲』で手を打ってしまいがちです。コンセプトを絞るという行為がアイデアを狭めてしまうわけではなく想像力不足と言えます。
もし「お客様が来店しない」という課題があれば理由を突き止めて次なる対策を打っていきましょう。先述した通り、将来お客様になるかもしれない「見込み顧客(潜在顧客を含む)」には「かならず来店するための明確な理由が必要」です。今一度、事業を深掘りしてみましょう。
最後に
ちなみに居酒屋ビジネスを展開する場合はモアカロリー系とレスカロリー系どちらの方向を攻めるかで料理構成も決めていかなければなりません。具体的なターゲット層がモアカロリー派なのかレスカロリー派なのかで方向性も正反対なので調理方法や味付けなどにも影響してくるでしょう。
店内のレイアウトや雰囲気・空気感なども関係してきますので、今流行りの「居抜き物件」を契約すればOKといった内容でもありません。また機会があれば詳細を解説させていただきますので楽しみにお待ちくださいませ。コンセプト設計には全体から8割以上の時間を費やしましょう。
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