チェルシー生産終了に見え隠れする企業の販売設計

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こんにちは、WPホームページ研究所の運営サポートチーム(@WP_LABO)です。

先日チェルシーの販売終了が話題になっていましたよね。個人的に大好きということもありマーケティング目線の記事を公開させていただきます。これまでに十分なマーケティング施策を繰り返し行なえたかどうかは企業の責任者でなければわかりませんが当研究所なりの独自解釈で別視点での考え方をご紹介いたします。

チェルシー生産終了に見え隠れする企業の販売設計

まず第一の感想は「ついに来たか」という無念さです。どんな業界でも市場が寒くなったり、競合ライバルが増えすぎると事業縮小をせざるを得ません。重要なのは意図的に変えるという見せ方かもしれません。

大好きだった飴のチェルシー

誤解を恐れずに言えば「チェルシーが好き」という世代は割と限られています。

なぜなら今リアルタイムで義務教育を過ごしている年齢の子どもや若い世代からは支持されていないからです。正確には「おやつ市場に対して存在感をアピールする力が弱い」とも言い換えることができます。

ユーザーがリピート購入しない主な理由は「存在を忘れていること」。たとえばコンビニやスーパー内で商品を選んでいる最中に「陳列されている候補のなかで目に入る位置に並んでいることは最低条件」です。

私が住む地域ではコンビニはおろかスーパーや薬局でもチェルシー自体を見かけたことはほぼありません。つまり買いたくても「どこに行けば手に入るか」が判らず結局別商品を買う流れが出来上がっています。

端的に言えば食べたい時すぐに買えない飴はある意味で「存在していない幻商品」となってしまうわけですね。

チェルシーが取り組めたこと

これまで企業のウェブ担当者やマネージャーの方々もあらゆる努力をしてきたはずですよね。売り上げも年々落ちてきて思ったような成果を出せず各部署から責められたりと苦しい思いも相当してきたでしょう。

何より今まで販売を続けてくれたことには心から感謝いたします。もしアンケートで「好きな飴はなんですか」と聞かれたら間違いなくランキングトップ3にチェルシー(ヨーグルトスカッチ)が入ります。

そして今回の件が、実は“話題性を狙ったバズ手法”で「新製品への布石」であったとしても十分に嬉しいです。以下では当研究所なりに「私たちならこんな取り組みを行う」という考え方をお届けいたします。

売り方の変更1(ケース問題)

時に「こだわり」が市場を拡大するうえで邪魔をしてしまうパターンがあります。

チェルシーと言えばスライド式のケース。さらに頑丈なので意外とかさばります。もちろん、逆に「あの独特の箱ケースがいいんだよ!」というファンも多いはず。とはいえ時代的に考えると少し微妙ですよね。

第一に考えるべきはユーザーが持ち運びやすいかどうか。飴をジーンズのポケットに忍ばしておきたい人からすればコンパクトでなければ喜ばれません。もっと言えば丈夫さの代償で残量が見えにくいためどれだけ残っているかは箱を振ったりケースを開けて覗かないといけません。タイパが重視される現代では圧倒的に不利です。

飴の競合商品が少なかった時代では問題がなかった「入れ物の形」が後で仇になることもあるわけですね。チェルシーには大きな袋タイプもありますが手軽さという意味ではまだやり方があったかもしれません。

売り方の変更2(打ち出し)

どういった打ち出しに変えるかはユーザーニーズによく耳を傾ける必要があります。

実際のアンケートや検索エンジン上のキーワードや流入のあった単語など色々データが蓄積されていますよね。こういったデータを徹底的に洗い出せば仮説が出来上がり的確な検証につながっていくはずです。

わかりやすく言えば「ユーザー側が求めている“まだ実現できていない”こと」を見つける作業。マーケティングの醍醐味です。どんなお宝需要が隠れているかを探し出していく作業なので宝探しにも似ています。

ヨーグルト・バター・コーヒーとそれぞれの味で売れている比率も考えて取り組んでいかなければなりません。

売り方の変更3(絞り込み)

仮にヨーグルトスカッチ味が一番売れているならあえてバターとコーヒーのみを廃盤とするのもよさそうです。

バター味のファン目線で考えるとバター味がなくなるのは悲しいですが意図もなく平等に扱ったばかりに結果的に全部の味がなくなってしまうとその方が耐えられないですよね。あえて一本化してまず売り上げを回復する。そして少しずつ右肩上がりになってきたら復刻版で再登場させてうまく話題性を作っていくのもありです。

表現上「絞り込み」と言えば残酷にも聞こえかねませんが「際立たせる」という考えで設計すれば違うヒントが見えてきます。ファンとしてはたとえ細々でも長い間継続してくれるに越したことはありません。

ヨーグルトスカッチよりもヨーグルト味

マーケティングでは常に基本が大切です。困ったら基礎となる土台を見直す。冷静な視点も重要ですよね。

そういった意味ではヨーグルトスカッチという味の名称は一般的なのか?という部分にも再考が必要です。もちろん、新規ユーザーを獲得せずに既存ユーザーだけに売るならあえて一貫していく姿勢も必要。

とはいえヨーグルトという大枠ジャンル自体にもファンは多いのでこの「スカッチ」という言葉が新規ユーザー獲得の障壁になってしまっていないかどうかという俯瞰的な視点も持っておかなければなりません。

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チェルシーを食べたことがない人であれば「スカッチって炭酸感があるのかな?」と勘違いしてしまう人もいたり言葉をどう受け取るかは企業の主観ではなく常に顧客ありきなのでよく考えるべき点でしょう。

ライバルが増えると見せ方に工夫も必要

おやつの市場を見ているとライバル数が圧倒的に増えてきていますよね。

以前に台風の影響で北海道産じゃがいもが収穫不足となりピザポテトが販売休止になりました。ポテトチップスも今やあらゆる味やジャンルが揃っていたりとおやつ業界は競合も多く生き残るのが大変ですよね。

実際に販売している取引先では「飴」をどのように展示しているのか。その取引先が仕入れている他社の製品はどんなパッケージをしていてどういった場所に並んでいるのか。見せ方は常にライバルありきです。

先述の通りチェルシーで言えば以下の課題がありました。

・箱型では飴の残り個数がわかりにくい
・残量が少なくなってもずっと荷物になる
・そもそも売っている場所を見かけない

あとは競合ライバルの打ち出し方もよく研究したうえでの新たな一手が求められていたわけですね。カンタンなことではありませんが1つずつ問題の本質を紐解き解決してさらに作り込んでいく必要があります。

飴とグミの間を目指す独特食感

もっと大々的なテコ入れができるならよりチェルシーの風味を感じ取れるやわらかグミの展開もありですよね。

特に最近は小さな子供が好きなお菓子はほぼ「グミ一択」です。逆に言えば飴を食べている世代は大半が大人。それにおやつは大人になればなるほど買いづらい商品とも言えますよね。大義名分として子供がスーパーで買うから便乗するという親御さんもいたりと若干コンプレックス商品にも似た心理が働きやすい商品です。

であればグミが大好きな年齢層を狙って一点突破させる。そして「このヨーグルト味のチェルシーグミ最高!」とヨーグルトスカッチを少し変化させることで別ターゲット層の胃袋をキャッチするのも得策です。

今後また新たな展開があるかもしれないチェルシー。こんなにも美味しい味なので終わらせたくないですよね。忘れられないよう多くのユーザーが手に取りやすい状況を総合的に作り込む設計が肝になります。

まとめ

本日は「チェルシー生産終了から想像する販売設計」を解説させていただきました。

きっとメーカー側としても苦渋の決断だったはずです。もしマーケティング戦略も含め十分に取り組んでいればそれに越したことはありませんよね。もちろん、上記で触れた内容もあくまでも参考例の1つです。

本記事が設計のご参考になれば幸いです。

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